ネットに溢れる悪質な投資顧問サイト!その見分け方とは

日本の証券市場を監督する官公庁である証券取引等監視委員会や金融庁のホームページには、投資家が更なる被害に合わないために、被害情報が数多く公開されています。残念なことですが、この中には投資家に対して投資判断を助言する職業である投資顧問に関する被害情報がいくつも掲載されています。そこで今回は、掲載されている被害情報を参考にして、悪質な投資顧問を見分けるためのポイントを見てみましょう。
投資顧問とはどのような職業なのか
投資顧問とは、「知識や理論、経験を活かしてプロとしての投資判断を下し、投資家の投資に助言をする」職業です。一口に投資顧問といっても、投資の助言のみをおこない、実際の投資は投資家自身に任せる「投資助言業」と判断から運用まで全てをおこなう「投資一任業」があり、一般的に投資顧問業と言えば投資助言業が当てはまります。投資助言業ができるのは、内閣総理大臣の審査によって認可もしくは登録を受けた業者に限られます。
悪質な投資顧問を見分けるポイント:広告表現
投資顧問などの金融商品をあつかう会社は、金融取引に関する包括的な法律である「金融商品取引法」によって規制されています。
この法律の中には、投資顧問が顧客を募るときの広告に関する規定も含まれています。
広告に関する既定として代表的なものは、
- 事実に相違する表現
- 投資家に誤解をまねく表現
があります。
このような表現の具体例としては、「断定的判断の提供」が例示されています。断定的判断とは、取引市場での動向によって決定される特定の株式の価値や為替の値動きなどの予想はできても予測はできない事柄について、予想を予測と誤認させるような判断を指します。具体的な例で見てみると、「○○という株を買うとこれまでの損失を取り戻せる」や「株式上場(IPO)によってこの株式は確実に値上がりする」といった表現が当てはまります。このような表現で勧誘をしている投資顧問は、まず除外したい対象と言えるでしょう。
悪質な投資顧問を見分けるポイント:無登録業者の「投資助言」
近年急速に普及したインターネットのおかげで、オンライン専門の投資顧問が出現したことで富裕層向けのサービスであった投資顧問は、個人投資家にも身近なものとなりました。オンライン専門の投資顧問は、無料かごく定額のメールマガジンや、自動ソフトでの助言をうたっていますが、これらの投資顧問の中には詐欺やはめ込みなどの犯罪行為の隠れ蓑としている場合もあります。これらの犯罪行為に巻き込まれないためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
基本的に投資助言業として認められている
- 金融商品の価値等に関する助言
- 投資一任契約の締結の代理または媒介
は投資助言業の認可または登録を受けた業者に限られ、無登録業者がおこなうと違法行為となります。
無料のメールマガジンや自動ソフトの提供は、一見この規則に触れていないように見えますが、法的には継続的に助言行為をおこなっているとされ、無登録の業者がおこなっていると違法となります。
全ての無登録業者が犯罪行為を狙っているわけではありませんが、登録業者と比べると有意に犯罪行為をしているとの調査結果もあります。
オンライン専門の投資顧問を利用するときには、サイト上に許認可を受けた証である登録番号の記載の有無を確認しましょう。
悪質な投資顧問を見分けるポイント:禁止されている投資顧問の広告表示
これらの悪質な勧誘方法を規制するため、金融庁では投資顧問向けの監督指針を設けて金融商品取引業者としての適切性を検証しています。
具体的に禁止されている広告表示の内容としては、
- 投資顧問が有利になる助言実績だけを表示する
- 根拠もなく他の投資顧問より優れていると表示する
- 限定と偽って顧客を誤解させ勧誘する
- 運用業の認可を得ていない投資助言業者が投資運用も行えると誤解させる
などがあげられています。
おわりに
使いこなせれば便利な仕組みである投資顧問ですが、近年の普及にともない、新たな犯罪行為の温床となっているとの指摘もあります。
「投資でこっそり・大きく儲かる話は誰かが既にやっている」ことを肝に銘じて、悪質な投資顧問に登録しないように注意したいものです。
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