FXに投資顧問は必要?しっかりと考えたい選び方

FXに投資顧問は必要?_アイキャッチ

投資者と契約を結んで実際の投資の代行や投資判断を助言するのが投資顧問会社ですが、気になるのは全ての金融商品に対して投資顧問が存在するのか?ということです。今回は、人気を集める外国為替証拠金取引(FX)で投資顧問は存在するのか、また存在したときには必要なのかについて見てみましょう。

外国為替証拠金取引(FX)とはなにか

外国為替証拠金取引(FX)とは、証拠金(保証金)を預託して主に差金決済による通貨の売買をおこなう差金決済取引(CFD)の一種です。
FXと同様に外貨を扱う金融商品としては、銀行が提供している外貨預金が知られていますが、FXはレバレッジをかけることで比較的少額の資金でも取引ができることと、為替差益(キャピタルゲイン)と金利差益(インカムゲイン)による利益を期待することが外貨預金と異なります。1998年の外為法(外国為替および外国貿易法)改正によって、それまで為替銀行に限られていた為替業務が一般企業にも解放されたため、比較的少額の資金でもはじめられて、大きなリターンを期待できるFXに注目が集まることとなりました。

FX専門の投資顧問会社は存在するのか

このように個人でも手軽にはじめられて、レバレッジをかけた取引ができるのがFXの特徴ですが、個人でも一定以上の利益が期待できるFXを専門とする投資顧問会社は存在するのか?という点です。結論から言えば、ごく少数の投資顧問会社が先物取引に関する投資顧問業務のついでとしておこなっているに限られます。なぜ、他の投資方法とは違い、FXを専門とする投資顧問会社がほとんど存在しないのでしょうか。FXを専門とする投資顧問会社がほとんど存在しない理由として大きいのは、FXの取引方法として人気の高いシステムトレードの存在があります。
システムトレードは世界中の最先端の投資理論や第一線の為替トレーダーの投資方法をプログラム化した「ストラテジー」を単独もしくは複数組み合わせることで、ストラテジーそのままの取引できるという仕組みです。
国内のFXサービスの提供するシステムトレードは、「ループ・イフダン」に代表される一定の条件下で取引をおこなうリピート発注が中心ですが、海外のFXサービスが提供するものは「ミラートレーダー」や「メタトレーダー」のようにより取引の柔軟性が高く、様々な局面に対応しているのが特徴です。特に「ミラートレーダー」や「メタトレーダー」は取引システムとしてだけではなく、チャートソフトとしても豊富なテクニカル指標により比較的精度の高い相場の予想が個人でも可能な点は見逃せません。FXではこのシステムトレードの存在により、初心者から経験者まで同じ条件で取引できる環境が整えられているので、投資顧問会社が介入する余地がなかったのです。

今後もFXに投資顧問は存在しないのか

このように株式や債券に比べてシステム化が進められていたために投資顧問会社が介入する余地のなかったFXですが、今後もこの傾向は続くのでしょうか。実は数年前に、ミラートレーダーやメタトレーダーを提供する業者は、第一種金融商品取引業と並んで、投資助言・代理業の資格を取得することが義務付けられました。これは投資家が自らの判断ではなく「ミラートレーダー」のストラテジーに任せて売買することは助言・代理に該当するとして、第一種業者であっても投資助言・代理業に登録する必要があるとしたのです。
第一種業者が新たに投資助言・代理業に登録するためには、社内の陣容や管理体制、コンプライアンス(法令遵守環境)の整備、そしてこれらの実現を証明するための膨大な提出書類が求められ、審査を通過する必要があり、この手間を嫌ってかなりのFXサービスが「ミラートレーダー」や「メタトレーダー」の提供を取りやめました。そのため既に投資助言・代理業の資格を保有している投資顧問会社が活躍する余地はあると言えます。
しかし「ミラートレーダー」や「メタトレーダー」は個人でも比較的手軽に導入できるシステムであり、従来のように大きく存在感を発揮することは期待できなさそうです。

おわりに

他の投資方法と比べてシステム化の進んでいるFXでは、投資顧問会社の介入するような余地はほとんどありませんでした。
しかし規制強化により、その余地は徐々に大きくなりつつあり、一部の投資顧問会社は参入を検討・実施しています。

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投資顧問とわたしたち

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